Cobalt's Movie Log

映画鑑賞の感想など

映画「ジョーカー」を鑑賞

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10月4日から日米同時で公開された「ジョーカー」を早速観にいきました。ジョーカーはバットマンの人気のある悪役キャラです。バットマンの映画はいくつかつくられましたが、ジャック・ニコルソンが1989年の映画に、ヒース・レジャーが2008年の映画で演じています。

 

ジャック・ニコルソンの演技も素晴らしかったですが、「ダークナイト」でのヒース・レジャーの演技がたいしたものでした。ヒース・レジャーは映画の公開を待たずに急死し、死後にアカデミー賞助演男優賞を受賞したくらいですから、今回の映画の主演ホアキン・フェニックスは、相当プレッシャーがあったのではないかと思います。

 

映画を観終わっての感想は、とにかくホアキン・フェニックスの演技が素晴らしく、演技で映画にずっと引き込まれ続けました。バットマンは登場しないし、ジョーカーになったのも最後の十数分だけだったのに、もう映画の世界観の引力が半端ないです。人間ドラマとして描かれていて、感情を揺さぶられました。

 

ストーリーは悪役ジョーカーが生まれる前の、コメディアンを志望していたある男の話。精神に病を持ち、仕事もうまくいかない、気の優しい男が、だんだんと狂気に蝕まれ、反社会的な人間へと変わっていくドキュメンタリーのような構成になっています。

 

とにかくホアキンの演技がよくて、役者の演技だけでこれだけ物語に引き込まれるのは久しぶりです。たぶん近くにいたら、気味が悪いと思ってしまう主人公にどんどん感情移入していまいます。最後のジョーカーが生まれるシーンは爽快感すらあるので、アメリカ社会がこの映画を危険視するのも理解できます。でも私はそういう位置づけとか、ストーリーはどうでもよくて、とにかくホアキンの演技に魅了されました。

 

ホアキン・フェニックスは、役者として有名になってから早逝したリバー・フェニックスの弟です。兄の死後も役者業をこつこつ続けて、グラディエーターの時に、アカデミー候補になって注目を集めたと記憶してました。

 

今回の演技を見て、今まで積み上げてきた彼の役者としての経験や、人生や感性をいっぱいこの役へ込めた熱気が伝わってきて、感動すら覚えます。アメコミ映画ではありますがヴェネチア映画祭で金の獅子賞もとったということで、そこそこ期待はしていましたがそれ以上の作品でした。こういう、役者の実力で作品が素晴らしくなる映画はいいですね。