なんと一週間で二作目の映画を観に行きました。完全に逃避行動でだなあ。映画館の暗闇でスクリーンを眺めてると気分が落ち着きます。お酒を飲んでいないのでまあいいか。
シネリーブル梅田で「ガルヴェストン」という映画を鑑賞しました。テアトルシネマグループなのでTSGカードで割引できるな、と思ってたら水曜日は会員は関係なく一律1100円だそうです。
シネリーブル梅田は、大阪駅から見えるスカイビルという高層ビルにある映画館です。梅田駅、大阪駅から西の方へ少し歩いた場所にあり、帰りに寄り道するにはちょっと遠いです。梅田には他に映画館がいくつかあるので、この映画館は行ったことありませんでした。ミニシアター系の小さい劇場で、「ガルヴェストン」は客が5人くらいです。観客の少ない映画館はよいですな。
この作品のストーリーを簡単にいうと、中年の殺し屋と若い娼婦の逃避行ロードムービー。ある事件から一緒に逃げることになった殺し屋と若い女。逃げる途中にいろいろありますが、一緒に過ごすうちに、だんだんと心を通わせていきます。途中から幼い女の子も逃走に加わり、やがて男の中に女に対する確かな愛が生まれた時に、二人の旅は悲劇的な終わりを迎えるのです。
ハリウッド映画には、タフな殺し屋が登場し、若い女の子とチームになって、組織の追っ手とドンパチの撃ち合いになって、カーチェイスなど危機一髪、最後はハッピーエンド、という話がいっぱいあります。「ガルヴェストン」はそんなパターンではなくて、不器用な男と、不幸な女の出合いから別れまで描いて、悲しい結末を描きます。
私は孤独な男の悲哀や純情、プラトニックな愛情などを描いた映画は嫌いではありませんが、同じ映画でも、女性が観ると自分の理屈でやせ我慢している男は、イライラすることがあるようです。恋愛ものは、やはりハッピーエンドじゃないと女性受けがよくありません。
この作品の監督は、36歳の歌手であり女優でもありモデルでもある多才なメラニー・ロランという女性。原作どおりのハードボイルドと男の純情のバランスをうまくまとめていて、中年男の感性のツボもよく心得ています。こんな演出をできるのは、なかなか男前指数の高い監督だと思います。俳優の演技や、カメラワークなどの映像も含めて、人の気持ちを動かす真面目な作品でした。
主人公の娼婦を演じていたのは、エル・ファニング。有名なダコタ・ファニングの妹で、以前ネオン・デーモンという映画を観て、若いけどいい役者だな、と思ってました。綺麗なだけではなく、演技というものを掘り下げることのできる役者さんです。この作品での演技も素晴らしい。
男と女の組み合わせというやつは不思議なもので、年がだいぶ離れていても、うまく関係性が成り立ったりします。私が思うに、男と女は、もともと違う価値観と世界観で、交わることがない、と男女ともに思っていたら、年の差でもつきあえるし、お互い理解しあわないと、という価値観だと難しくなるのかな、と思いました。
とてもいい映画だったのですが、主人公の二人がやたらタバコを吸うのだけは、ちょっと参りましたね。劇中でウイスキーもがんがん飲んでるし、禁酒禁煙している自分には、ちょっと目に毒でしたね。久々にタバコを吸って強い酒を飲みたい気分になりましたよ。あぶないあぶない。
それと、アメリカの田舎風景にはカントリーミュージックがあいますね。私はロック中心でカントリーはあまり聴かないのですが、聴いてみたい気分になりました。